【人材派遣の仕組み・マージン(ピンハネ)はどれぐらい??】にも書きましたが、1つの企業が派遣会社10社と取引をしていて、派遣会社Aからは5人、派遣会社Bからは3人、というように、同じ就業先でも派遣会社はバラバラで、「全く同じ仕事をしているのに、派遣会社によって時給などの待遇が違う!」という問題が起こることがあります。
しかし、気づいた後に「別の派遣会社の方が待遇いいから、派遣先は同じままで、派遣会社だけ移ります」なんて都合の良い事はできません。
最初から、待遇の良い派遣会社を選ぶ必要があるのです。
では、どうすれば良いのか。
実際に派遣会社で営業マンをしていた私が、派遣会社選びを失敗しない為にチェックすべきことをお伝えします!!
①時給・交通費の違い
同じ派遣先でも時給・交通費支給の有無が派遣会社によって違います。
・派遣会社Aは時給1000円+別途交通費
・派遣会社Bは時給1050円+別途交通費
・派遣会社Cは時給1100円 交通費別途支給無し
この場合、距離が近ければ派遣会社C、距離が遠ければ派遣会社Bの選択がベター。
何故こんな事が起こるのか??
それは、派遣先企業が派遣会社に払っている金額が一律ではないから。
昔からの付き合いがある派遣会社は金額が高く、新参者の派遣会社は安いということがあるのです。。。
※派遣社員同士で待遇が違うとモチベーションに差が出てしまい円滑に業務が進まないことがあるので、「派遣金額・時給は全社統一で!」という派遣先企業もあります。
他社よりも派遣金額を安くされてしまった場合、自社の求人が見劣りしてしまい人を集めづらかったので、派遣会社の営業マンとしては、このような企業さんが一番ありがたかったです。
②社会保険の加入時期
フルタイム勤務をする場合、正社員や派遣社員などの雇用形態関係なく社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が必須です。
これの「加入時期」が派遣会社によって違います。
正社員であれば、基本的には入社日=社会保険加入日です。
それが派遣になると、入社から2カ月くらい経たないと社会保険に加入させてもらえないことが多いです。
何故こんな事が起こるのか??
それは、社会保険は日割りできないからです。
人によりますが平均で月2~3万がかかり、社員と同様の金額を会社も負担しています。
正社員に比べると派遣社員はすぐ辞めてしまう割合がかなり高く、もし入社日に社会保険に加入した派遣社員が1日で辞めた場合、この1日の給料に対して1カ月分の社会保険料がかかってしまいます。
1日の給料だけでは2~3万の社会保険料をカバーすることが出来ないため派遣社員の給料はマイナス。
また、会社負担となる2~3万も1日の売り上げだけではカバーできず派遣会社も赤字です。
このような事態を避けるために、就業が継続できると確認できた2か月後以降に加入させるのです。
なにかしら理由をつけて社会保険への加入を先延ばしにする派遣会社もあるそうなので、登録時に「いつから社会保険に加入できますか?」と確認すると良し!
入社日に即日加入なら優良派遣会社、2か月後なら普通、それ以降ならちょっと・・・という感じです。
③有給の金額
時給1000円で1日8時間勤務の人の日給は1000×8で8000円です。
では、この人が有給を使って休んだ場合はいくら支給されるのか。
「え?8000円でしょ?何言ってんの?」と思った方、甘いです。
派遣会社の中には、利益率を少しでも良くするために有給を7割しかつけない会社があります。
その場合、8000円×0.7=5600円しか有給手当はつきません。
「それって違法じゃないの!?」と言う方もいますが、法的にはOKです。
有給の計算方法は次の3パターンがあり、会社ごとに就業規則で定めています。
(1)通常の賃金
(2)平均賃金
(3)標準報酬日額(健康保険法)
(1)通常の賃金というが、満額でもらえる計算方法で、多くの企業が採用しています。
ただ、(2)を選択している場合、通常給与の6割以上でOKなので、7割支給であれば法的にはなんの問題もないのです。
有給って当たり前に10割貰えると思っていませんでしたか??
利益率の低い派遣会社にとっては、合法的に負担金額を減らせるポイントなので、何も知らないまま入社してしまうと、有給を取得した月の給与明細を見てビックリするかも!!
派遣会社に登録するときに「有給は何割もらえますか?」と確認すると良いですよ!
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