2025年春、TBS日曜劇場枠で放送された社会派ドラマ『キャスター』は、報道番組を舞台に「真実を追い求める人間」の葛藤と信念が描かれた話題作です。
主演・阿部寛を筆頭に豪華キャストが出演し、光と闇が交錯する話は視聴者の心を掴みました。
本記事では作品概要から全話のネタバレ、そしてドラマが伝えたかった核心まで徹底解説します。

※本ページはネタバレを含みます。
※本ページはプロモーションが含まれています。
作品概要
放送期間:2025年4月13日〜
放送局:TBS系(日曜劇場)
ジャンル:社会派ドラマ、報道ワークドラマ
原作:オリジナル脚本
制作:TBSテレビ
脚本:槌谷健、及川真実ほか
音楽:木村秀彬
演出:加藤亜季子、金井紘
主題歌:tuki. 「騙シ愛」
物語の中心となるのは、視聴率低迷中の報道番組『ニュースゲート』でメインキャスターに就任した型破りな男・進藤壮一(阿部寛)の奮闘と、スタッフたちとの信念のぶつかり合いです。
主な出演者(キャスト)
阿部寛(進藤壮一) — 報道番組『ニュースゲート』のメインキャスター
永野芽郁(崎久保華) — 番組総合演出
道枝駿佑(本橋悠介) — AD/リポーター
月城かなと(小池奈美) — サブキャスター
木村達成(尾野順也)
キム・ムジュン(チェ・ジェソン)
佐々木舞香(戸山紗矢)
ヒコロヒー(鍋田雅子)
山口馬木也(松原哲/進藤の父)
高橋英樹(国定義雄)
北大路欣也 — 特別出演
その他、多数のゲスト・脇役がエピソードを彩ります。
ドラマ全話ネタバレ解説
エピソード1
1982年。
航空自衛隊のC1輸送機が墜落し、乗員5名が死亡する大惨事が発生した。
そのニュースが流れる中、ある男性が幼い息子を横目に自宅でガス爆発による自殺を図る。
炎に包まれる家の前で助け出された少年は「父さん!」と泣き叫んでいた。
時は流れ、民放テレビ局JBN。
報道番組「ニュースゲート」は視聴率低迷に苦しんでいた。
国定会長はテコ入れとして、公共放送を干された進藤壮一をメインキャスターに起用する。
進藤は就任にあたり、8つの条件を提示。
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スクープのないニュースはニュース番組ではない
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カンペは不要
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本番中はイヤモニを外す
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予算の話はするな
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局の問題は局で解決
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予定調和は無価値
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忖度しない
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スクープのためならコンプライアンス無視
「生ぬるい報道体制をぶっ壊す」
その宣言に、総合演出に異動した崎久保華らスタッフは騒然となる。
初回放送当日。
出演予定だった内閣官房長官・羽生がドタキャン。
進藤はAD本橋を連れ国際バレーボール大会会場へ向かう。
羽生は大会会長、尾崎はスポンサー集め担当だった。
進藤は羽生に記事を突きつける。
「国際バレー誘致で贈収賄。秘書は自殺。これをもみ消す代わりに、夜の生放送で裏金問題に答えろ。」
次期総理候補の羽生は承諾するが、その直後に心臓発作で倒れる。
羽生は関東医科大学へ搬送され一命を取り留めるが、進藤は息子・真一が搬送先を指定したことを怪しむ。
調査の結果、未承認人工血管の違法手術、寄付金横領が発覚。
院長・根津と医師・田辺が逮捕される。
しかし羽生と息子は証拠を隠滅していた。
崎久保華は、かつて担当番組で出会った少年・拓海が亡くなったことを知る。
彼のために集められた希少なRH-AB型血液が、羽生に使われていたと判明。
スクープVTRを制作するが、本番で流れたのは別映像で、進藤は「医師は2人の命を平等に扱った」と語る。
崎久保は進藤が羽生から金を受け取り揉み消したと考え「必ずあなたより大きなスクープを取ります」と宣言した。
エピソード2
あるスポーツバーで客が賭博容疑により一斉摘発される。
その中に、全日本男子バレーボールのエース・名和と、ニュースゲートのアナウンサー小池の姿があった。
2人は偶然同じ店に居合わせただけだと主張。
小池は友人と来ており賭博には一切関与していないと説明し、名和もギャンブルへの関与を全面否定する。
やがて2人は釈放されるが、世間の疑念は収まらない。
キャスターの進藤は距離を置く姿勢を見せるが、編成担当の滝本は深刻な事情を打ち明ける。
JBNは国際バレーボール選手権の放送権を持っているが、大口スポンサーであるIT企業イーストリームが撤退を示唆。
損失は莫大で、番組予算にも影響が及ぶという。
社長の仁科は進藤のファンであるため説得してほしいと懇願。
進藤は滝本とともにイーストリーム社を訪問し「名和選手の潔白を明らかにし、国際バレーを盛り上げます」と宣言する。
その夜、進藤は普段通り小池と番組を進行するが、突然名和の件に切り込む。
追及に追い込まれた小池はついに真実を告白。
名和とは恋人関係でありプロポーズされていることを明かす。
涙ながらに謝罪し放送は終了。
滝本は「潔白は証明された」と安堵するが、進藤は冷静だった。
「この件は、明日発売の週刊誌に載る予定でした」
すでに全てを読んでいたのだ。
国際バレーボール選手権が開幕。
局内が落ち着きを取り戻した矢先、進藤は再び生放送で爆弾を投下する。
名和の携帯履歴に、賭博胴元との不審な送金記録があった。
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名和がオンライン賭博で511万円を送金
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その後、胴元から550万円が入金
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「ALLAN(アラン)」という人物の試合予想は、全日本戦で80%の的中率
進藤は名和の八百長疑惑を示唆し、番組内でアランに出演を呼びかける。
報道を受け、アランは国外逃亡を図ろうとするが、出国前に電話で生出演を希望。
番組が始まると、彼は「名和は無実だ」と主張する。
だが進藤は断言する。
「アランの正体は、名和のトレーナー・今井さんですね?」
名和の学生時代からの親友で、怪我により現役を断念した人物だった。
今井はギャンブルで多額の借金を抱え、名和のコンディションを利用して試合結果を予測。
胴元へ情報を流し、報酬を得ていたのだ。
今井は逮捕され、スポンサー社長の仁科も賭博関与が発覚し逮捕される。
名和はヨーロッパリーグへ挑戦することを決意。
しかし結婚は延期となり、小池はキャスターを続ける道を選ぶ。
崎久保たちスタッフが一息ついたその時、衝撃の速報が入る。
羽生が死去。
会長室で国定はつぶやく。
「ありがたいねぇ。秘密を墓場まで持って行ってくれた」
一方、進藤は父の遺影を前に、複雑な表情を浮かべていた。
エピソード3
帝都大学の若き研究員・篠宮楓が、万能細胞「iL細胞」を発表する。
世界的科学誌「Theory(セオリー)」にも掲載され、医療の未来を変える大発見として一躍注目を浴びた。
iL細胞は、かつてノーベル賞を受賞した高坂教授の「Ida細胞」をも凌ぐ性能を持つとされ「治せない病気がない未来が実現できるかもしれない」とまで評された。
だが篠宮は一切の取材を拒否していた。
本橋の調査により、篠宮の研究チームには指導教授の小野寺、そして大学時代の先輩・栗林が関わっていることが判明。
進藤は栗林への独占インタビューに成功する。
一方、SNSでは「黒猫」と名乗るアカウントが「iL細胞は捏造だ」と告発。
ネット上は騒然となる。
その夜の「ニュースゲート」
平穏に終わるはずだった放送で、進藤は黒猫へのインタビューVTRを突然公開する。
黒猫は研究データの改ざんを指摘。
さらに直後、Theory誌も論文の不備を発表し、掲載を取り下げると表明した。
篠宮は一斉に非難を浴び、メディアは連日バッシングを展開。
本橋は2人を心配しながらも、何もできずにいた。
実は栗林は、小野寺教授から「多額の研究費を獲得するため」という理由でデータ改ざんを指示されていた。
だが世間の激しい批判を受け、篠宮が矢面に立たされる姿に耐えきれなくなった栗林は、飛び降り自殺を図る。
一命は取り留めたが、意識不明の重体に陥る。
小野寺は会見で、全てを栗林一人の責任に押し付けた。
栗林の潔白を証明しようと、本橋は研究室に忍び込み証拠を探す。
しかし篠宮に見つかり、事情を説明した直後に小野寺が現れる。
「不法侵入で訴える」
小野寺は強硬姿勢を崩さない。
さらに証拠隠滅を図ろうとするが、進藤がそれを見抜き問い詰める。
実は決定的な証拠は篠宮が密かに保管していた。
進藤は篠宮に告げる。
「栗林さんのことを見て見ぬふりをして、自分を欺く人間に科学の真理を追求できるとは思えない。自分に正直になってみては?」
その言葉が、篠宮の心を揺さぶる。
進藤は番組で黒猫の正体を明かす。
それは、ノーベル賞学者・高坂教授だった。
高坂は純粋に科学の発展を願い、不正を許せなかったのだ。
進藤は番組内で、日本の研究費が世界水準に比べ極端に少ない現実を指摘する。
限られた予算を奪い合う構造こそが、不正を生む土壌になっていると問題提起した。
やがて篠宮は真実を公表。
小野寺も罪を認め、心から反省する。
篠宮、高坂、小野寺による新たな研究チームが発足。
幾度もの失敗と試行錯誤を重ね、ついに本物のiL細胞の作製に成功する。
意識を取り戻した栗林も復帰し、本橋と共に奇跡を喜び合った。
だが歓喜は長く続かなかった。
高坂教授が独断で、iL細胞をアメリカの製薬会社へ100億円で売却していたのだ。
本橋や崎久保たちは驚愕する。
しかし進藤は、その展開をすでに予測していたかのような表情を浮かべていた。
エピソード4
女子大学生・宮野雪が何者かに殺害される。
元交際相手の吉木勇也が逮捕されるが、その後、斎藤剛という男が「闇バイトで指示された」と自首。
吉木は釈放され、事件は思わぬ方向へ進み始める。
同じ頃、海馬は娘・灯里が通う桐桜女子中学校のバスケットボール部で盗撮騒ぎが起きていることを知る。
真相を探るため、進藤・崎久保・本橋は部活動の取材を装って学校へ向かう。
生徒たちによれば、盗撮カメラは顧問の芳賀を呼びに行っている間に消えたという。
その状況から、芳賀が隠した可能性が浮上する。
だがさらに調査を進めると、殺害された宮野も盗撮被害に遭っていた事実が判明。
桐桜女子中の盗撮騒動と、女子大生殺害事件が繋がっている可能性が浮かび上がる。
崎久保は「好みの女性を選び金を払えば、盗撮画像や個人情報が入手できる」という闇サイトを発見。
そこには宮野や桐桜女子中バスケ部の生徒たちの画像も掲載されていた。
さらに顧問・芳賀が借金を抱えていることも分かり疑惑は深まる。
崎久保は裏サイトの情報から、灯里が関与している可能性に気づき説得。
灯里は勉強の成績に悩み、SNSで知り合ったヒロトという人物にハッキングを依頼し、テスト問題を入手していたことを告白する。
その弱みを握られ、ヒロトの指示でカメラを設置してしまったのだった。
崎久保は「父親には言わない」と約束するが、進藤は華に盗聴器を仕掛けており、すべてを海馬に伝える。
灯里は崎久保に裏切られたと感じて心を閉ざす。
海馬は進藤に問い詰められるが「娘の将来のため報道はしない」と断言する。
自宅謹慎となった灯里のもとに進藤が訪れる。
ヒロトをおびき出す作戦を提案するのだ。
罠は成功し、夜の公園にヒロトが現れる。
しかし事情を知らない海馬は、娘のスマホに残された呼び出しメールを見て慌てて公園へ向かう。
ヒロトの正体は、学校の警備員・小津だった。
現場では灯里になりすました崎久保が襲われる。
駆けつけた海馬は身を挺して崎久保を守り、殴られながらも必死に抵抗する。
進藤は警察を手配しており、逮捕までの一部始終をカメラに収めていた。
灯里は、傷だらけになりながら自分を守った父に涙ながらに謝罪。
そして「自分の口で同世代に危険を伝えたい」と番組出演を志願する。
後日「ニュースゲート」はSNSの危険性を特集として放送する。
さらに進藤は、小津が隠していたスマホを発見。
闇サイトの運営者が吉木であること、宮野がその事実に気づき、口封じのため斎藤に殺害を指示したことを突き止める。
女子大生殺害事件と盗撮サイトは一本の線で繋がった。
実は桐桜女子中には、進藤の娘・横尾すみれも在籍していた。
離婚した父を嫌っていて、母が通り魔に襲われたという深い傷も抱えている。
一方、崎久保は進藤が18年前に臓器売買を斡旋したとされるNPO法人「難病支援の輪」を調べていることを突き止める。
エピソード5
女性・佐野千晶がSNSに「赤坂南署の大木巡査部長から暴力を受けたが、警察に隠蔽された」という告発を書き込む。
この投稿をきっかけに、事件は一気に動き出す。
社会部の梶原は、赤坂南署の竹野署長から警察内部の不正という重大スクープを入手する。
竹野は証拠を持って記者会見を行うと約束。
局内では報道準備が進められる。
しかし社会部の安藤は、独自に追っていたネタを横取りされた形となり激怒。
それでも進藤は冷静に言い放つ。
「あなたに、苦労して取ったスクープを止める権利はない」
ところが、いざ会見が始まると竹野は一転して
「暴行の事実はなかった」
と発表し事態は急転する。
梶原と竹野は、かつて警察上層部の癒着を暴いた盟友だった。
梶原は裏に何かあると確信し、竹野に接触する。
彼女は明らかに脅されている様子だったが、言葉にはしない。
代わりに筆談であるパスワードを書き残す。
一方、梶原は安藤が警察参事官・村崎に情報をリークしたのではと疑い始める。
進藤もJBN内部に裏切り者がいると考え、突如「一日警察署長」を引け、署内に潜入する。
竹野のPCに例のパスワードを入力すると、衝撃の事実が明らかになる。
女性警官・深川が村崎の指示で、佐野の被害調書を削除していたのだ。
深川は村崎に脅迫されており、竹野は部下の将来を守るために告発を躊躇していたことが判明する。
進藤は崎久保たちに芝居を打たせ、内部リーク犯をあぶり出す。
真犯人は安藤ではなく、社会部部長の駒井だった。
駒井は大木巡査部長の親戚であり、暴行事件の隠蔽に加担していた。
さらに大木は反社会勢力から資金を受け取り、その一部が村崎へと流れていたことも発覚する。
進藤たちは一気に証拠を固め、大木・村崎・駒井の3名は逮捕される。
その夜「ニュースゲート」は警察内部の腐敗構造を徹底的に報じた。
事件の余波の中、崎久保はある違和感に気づく。
村崎に資金を渡していた反社会勢力のロゴマークが、18年前に臓器売買を斡旋したとされるNPO法人「難病支援の輪」と酷似しているのだ。
警察不正事件は終わった。
そして、18年前の闇へと確実に近づいている。
エピソード6
藤井真弓(中村アン)がカメラに向かって「娘と夫の命を助けてください」と訴える。
夫・直孝が脳死状態。
娘ユキノに肺移植したいが、制度上不可能。
母・真弓は心臓疾患がありドナーになれないという。
崎久保は放送中に台本を無視し、視聴者へ直接呼びかける。
世論は動き、署名運動が始まる。
だが週刊誌が「真弓に持病はない」と報道し、誹謗中傷が殺到。
その後直孝は心停止。
肺移植は不可能に。
崎久保は「医療サポートセンター ひまわりネット」を調査。
そこにも「難病支援の輪」と同じロゴが。
真弓は実はユキノの継母。
事実を隠すため嘘をついていた。
さらに、ひまわりネット経由で海外違法移植を計画していた。
ここで崎久保は、自身の過去を語る。
姉・沙羅も18年前、「難病支援の輪」による違法移植を受ける寸前で摘発が入り、手術は中止。
沙羅は亡くなり、母は心を病んだ。
18年前この組織を暴いたのは進藤だった。
現在代表は深沢武志(新納慎也)。
途上国で健康診断と偽りドナーを探す臓器売買組織を運営している。
崎久保は「今スクープすればユキノが危険」と進藤に訴えるが、進藤は「貧しい者から臓器を奪うことを許せるのか」と返す。
最終的には警察が動き、渡航は阻止。
しかし実はドナーは既に来日しており、国内で手術予定だった。
進藤はすべて把握しており、真弓たちを愛協病院で待ち受ける。
エピソード7
違法移植手術が行われる愛協病院へ乗り込んだ進藤。
真弓を追おうとした瞬間、白衣姿の男(山中崇)が現れ、スマホの画面を見せてくる。
テレビ電話で代表・深沢に繋がっており、深沢は進藤の娘・すみれを人質に取り「警察が俺とその男を追わないようにしろ」と脅迫。
進藤はそれを受け入れ、白衣の男を逃がす。
駆けつけた警察には真弓の居場所を伝え、真弓は違法臓器売買の疑いで逮捕される。
しかし真弓は「セカンドオピニオンに来ただけ」と主張し、ドナー少年も「観光目的で入国」と供述。
証拠不十分で釈放となる。
崎久保は、病院で進藤が接触していた医師が自分の父・川島圭介であることを知る。
圭介はかつて姉・沙羅を救えなかったことを悔い、違法移植に手を貸していた。
「沙羅を救えなかった」
それが彼の動機だった。
進藤は尾野に命じ、ユキノの手術費用の偽クラウドファンディングサイトを作成。
2億円が集まったように見せかける。
圭介を利用し、その情報を深沢に伝達。
家宅捜索で追い詰められていた深沢は飛びつく。
崎久保は進藤に「父の逮捕は手術後にしてほしい」と取引を持ちかける。
しかし手術直前、進藤は警察を率いて現れ深沢を逮捕。
真弓は崎久保に「騙したの!?」と叫び、崎久保は進藤に詰め寄る。
だが進藤はすでにユキノの実母(アメリカ在住)を探し出し、臓器提供の正式承諾を得ていた。
法律に則った移植手術は、圭介の執刀で成功。
崎久保は涙をこらえながら、自らカメラを回し父が連行される姿をスクープ。
報道とは何か。
家族より真実を選ぶとは何か。
その問いを体現する瞬間だった。
ニュースゲート放送中、速報が入る。
深沢が刑務所で服毒自殺。
さらに圭介は面会に来た崎久保へ衝撃の真実を告げる。
「沙羅は、あの時進藤がスクープしなくても助からなかった」
医師としてそれを理解していながら、母に真実を告げられなかった。
崎久保の過去、進藤への憎しみ、すべてが揺らぐ。
進藤は娘・すみれと元妻・恭子(相築あきこ)をペンションに匿っていた。
恭子は過去の事件で刺され、車椅子生活を送っている。
恭子は言い放つ。
「みんな知らないのね。進藤壮一は真実を追求してるんじゃなくて、過去にとらわれているだけ」
正義の顔の裏にある執念。
物語は最終局面へ。
エピソード8
芦根村のキャンプ場から出火し、大規模な山火事が発生。
村には原子力再処理センターがあり、最悪の事態が懸念される。
この村はニュースゲートスタッフ山井(音尾琢真)の故郷。
父・和雄(山本學)は元再処理センター長で、現在は認知症を患い施設に入所中だった。
JBNは総力取材を決定。
進藤、崎久保、本橋、山井らが現地入りする。
しかし到着後、和雄が行方不明であることが判明。
山井は動揺を押し殺し、報道を優先する。
避難警報が広範囲に発令。
怪我人は出ていないが、行方不明は和雄のみ。
靴に仕込まれたGPSは通信圏外。
進藤は、かつての因縁相手・尾崎と再会し、羽生剛亡き後に初当選した息子・真一を通じて総理へ働きかけるよう要請。
直後、自衛隊が派遣されGPS範囲を拡大。
和雄の位置は、炎に包まれる再処理センター付近。
「責任感から向かったのだろう」
そう語られ、山井は父の死を覚悟する。
夜に恵みの雨が降り、翌朝鎮火。
和雄は無事保護され、車椅子で現れる。
山井は号泣。
だが進藤は違和感を抱く。
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片方の靴が脱げているのに火傷がない
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和雄は43年前の記憶に戻っている
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その話題で現センター長・江上の表情が曇る
進藤はGPS履歴を辿り山へ。
足跡を追うと洞窟に辿り着き、内部には倉庫のような空間。
ダイヤル式の扉。
進藤は入院中の和雄に同型の鍵を見せると、和雄は「1005」と合わせる。
それは「自衛隊C1輸送機墜落事故」が起きた日。
進藤の父が追っていた事件であり、その墜落現場は洞窟の近く。
崎久保と共に扉を開けるが、江上に見つかる。
その夜、和雄は何者かに山へ連れ出され、斜面から突き落とされる。
和雄は一命を取り留める。
進藤は山井に突きつける。
-
景山重工と羽生一族の長年の癒着
-
父が関与していた可能性
-
あなたは疎遠を理由に目を背けてきたのではないか
山井は沈黙。
進藤は江上を追及。
43年前、進藤の父は再処理センターを取材後に人格が変わり、自殺した。
和雄は当時の記憶を取り戻し、まっすぐ墜落現場近くの洞窟へ向かった。
「記憶が戻ると困るから突き落としたのではないか」
江上は否定し「これ以上踏み込むな」と警告する。
帰り際、真一は言う。
「もうすぐあなたも父親のようになる」
週刊誌に、進藤が羽生剛から賄賂を受け取っていたという記事が出る。
証拠写真を送った人物、それは、本橋だった。
エピソード9
本橋は「進藤と羽生の贈収賄現場を撮影したが、リークはしていない」と主張。
しかし滝本が証拠確認のためPCを押収しようとした直後、何者かに盗まれてしまう。
廃棄寸前だったPCは、清掃員(ヒコロヒー)によって回収される。
裏で誰かが証拠を消そうとしている気配が漂う。
進藤は山井と共に和雄の自宅を調査。
そこで進藤の父・松原からの手紙を発見。
手紙には、
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自衛隊C1輸送機墜落事故の真相は隠蔽されたままであること
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現場近くにいた和雄が何かを知っているはずだという疑念
が記されていた。
さらに和雄の手帳には「3人で約束を交わしたが、約束が破られた」という記述。
進藤は3人目を探るため、現センター長・江上が営む食堂へ向かう。
だが江上は何者かから「進藤をおびき出せ」と命じられていた。
進藤より先に食堂へ入ったのは山井。
しかし店内のガス管は切断されていた。
ライターが投げ込まれ大爆発。
駆けつけた進藤、崎久保、南の目の前で山井は命を落とす。
事故か、殺人か。
崎久保は洞窟前のタイヤ痕を追跡。
再処理センターのトラックと一致。
進藤と崎久保は景山重工会長・景山(石橋蓮司)に詰め寄る。
最初のトラックは合法レアアース。
だが南が追跡していた別のトラックからは、放射性物質「プルトニウム」が発見される。
黒幕は羽生真一の秘書・池内(松尾諭)。
再処理センターから回収された放射性物質を第三国へ横流ししていた。
国家規模の闇が露わになる。
江上は自首を決意し、その前に1枚の写真を進藤へ渡す。
そこには
-
松原(進藤の父)
-
和雄
-
国定
の姿。
和雄に写真を見せると「約束を破ったのは誰か」との問いに国定を指差す。
一方その頃、国定はニュースゲートで景山の不正を報じることを止め、進藤の贈収賄疑惑を流すよう滝本に命令していた。
その夜のニュースゲート、トップニュースは進藤の贈収賄疑惑。
しかし進藤は、賄賂受領後の監視カメラ映像を公開。
金をすぐ尾崎に返却していた事実を明らかにする。
「キャスターを続けてもよろしいですね」
と笑う進藤。
さらに進藤は決定的な事実に気付く。
国定が持つライターは、父・松原のもの。
松原の死の際に入れ替わっていた。
松原の自宅に火を放ったのは国定だ。
エピソード10(最終話)
43年前、進藤の父・松原と国定は自衛隊C1輸送機墜落事故の現場を取材していた。
山井和雄から証言を得て記事にしようとするが、国は事故の詳細を公表しない。
やがて松原は激しいバッシングを受ける。
裏で羽生と金銭のやり取りをしていたのは国定だった。
しかし進藤が問い詰めても「証拠はない」と一蹴される。
清掃員・鍋田が、本橋の盗まれたPCを取り戻す。
調査の結果、ニュースゲート編集長・市之瀬が本橋のPCを使って進藤をリークし、証拠隠滅を図った事実が判明。
本橋が問い詰めるも沈黙。
さらに「市之瀬は反社の娘」という記事が出回り局内は騒然、彼女は謹慎処分となる。
進藤は再び芦根村へ。
江上の娘・麻衣と共に景山重工の洞窟へ入るが、何者かに閉じ込められる。
内部には硫化水素ガスが充満。
気絶寸前で、崎久保と江上、市之瀬の協力により救出される。
尾崎は実は羽生の死を他殺と疑い、真一の元へ潜入していた。
南の情報により、羽生の遺体から毒物が検出されたことが判明。
進藤は国定にニュースゲート生出演を要求。
放送当日、まず市之瀬が登場し、自身の出自を告白。
批判を浴びるが、進藤たちが擁護し編集長続投へ。
続いて国定を追及。
尾崎の証言VTRにより、景山が羽生に毒物カプセルを飲ませた事実が浮上。
景山は殺人容疑で逮捕される。
進藤は父のライターに隠しカメラを仕込み、鍋田の協力で松原の未発表記事を入手。
そこには衝撃の事実。
輸送機の積荷はプルトニウム。
しかも輸送先は米軍基地。
日本は秘密裏に核兵器燃料を運び込んでいた。
国定が語る真実・・・
-
約束を交わしたのは松原・山井・羽生
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国定は同席者
-
プルトニウムが公になれば自衛隊と村は壊滅的打撃
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「記事を出さない」と3人は約束
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景山は誤解し松原を殺害させた
瀕死の松原は国定にライターとしおりを託し「壮一を頼む」と言い残していた。
国定は「これは大スクープだ。だが公にすれば日本は分断される」と語り、進藤は言葉を失う。
国定は告げる。
「君は私の期待通りニュースゲートを壊してくれた。いつかこの国を根底からぶっ壊してくれ」
そして会長職を退く。
南の報告。
景山が使っていた組織は「Together Space」
これまでの事件すべてに関与。
だが一人、進藤の妻・恭子を刺した実行犯は逃亡中。
組織のボスは足の悪い男。
ラスト、若い男(寺西拓人)がすみれを見つめ「次は彼女か」と電話。
相手は足を引きずる男。
闇は終わらない。
ニュースゲート。
進藤はカメラを見つめる。
「こんばんは。ニュースゲートの時間です」
微笑みの裏に、背負い続ける国家の闇。
物語は終わり、そして続く。
この物語が伝えたこと
・報道は正義か暴力か
・スクープは救いか破壊か
・真実は誰のためにあるのか
進藤は正義の味方ではない。
だが誰よりも真実を追い続けた。
そして彼が壊し続けたのは、社会だけでなく自分自身だった。
まとめ
日曜劇場『キャスター』は、報道、政治、医療、原発、科学、SNS、臓器売買…現代社会の闇を真正面から描いた社会派サスペンス。
そして43年前の事故と現在を繋ぐ壮大な伏線回収。
ラストまで一瞬も目が離せない、圧巻の物語だった。