ホラー映画の歴史を塗り替えたスティーブン・キング原作映画
『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』
1980年代の静かな町を舞台に、少年少女たちが世界最恐の怪物ペニーワイズと対峙する恐怖と友情の物語。
前編と後編THE END両作品のあらすじネタバレをまとめます。
この記事を見れば「IT/イット」が丸わかり!
※本ページはネタバレを含みます。
※本ページはプロモーションが含まれています。
作品概要
原題:It
公開年:1作目2017年、2作目(THE END)2019年
監督:アンディ・ムスキエティ
原作:スティーブン・キング(1986年同名小説)
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
主な出演者 キャスト
ビル・デンブロー – Jaeden Martell(幼少期)
ベニー・ハンスコム– Jeremy Ray Taylor(幼少期)
ベバリー・マーシュ – Sophia Lillis(幼少期)
リッチー・トージャー– Finn Wolfhard(幼少期)
エディ・カスプブレイク– Jack Dylan Grazer(幼少期)
マイク・ハンロン – Chosen Jacobs(幼少期)
スタンリー・ウリス– Wyatt Oleff(幼少期)
ペニーワイズ / ピエロ– Bill Skarsgård
物語は主要キャラたちが子ども時代に恐怖と向き合う姿を中心に描く。
前編 IT ネタバレあらすじ
1988年10月 ― 悲劇の始まり
1988年10月。
アメリカ・メイン州の小さな町デリーですべての悲劇は始まります。
風邪を引いて寝込んでいた13歳の少年ビルは、7歳の弟ジョージーのために紙のボートを作っていました。
雨に濡れても壊れないよう丁寧にワックスを塗り、ついに完成したその船はジョージー号と名付けられます。
黄色いレインコートを身にまとったジョージーは大喜びで外へ飛び出します。
吃音症を抱え、言葉がうまく出てこないビルは、不安げな表情で弟の背中を見つめていました。
ジョージーが水たまりに浮かべたボートは雨水に押されて滑るように進みます。
夢中で追いかけるジョージー。
しかし次の瞬間、ボートは道路脇の排水溝へと吸い込まれてしまいます。
慌てて覗き込んだ暗闇の奥。
そこに浮かんでいたのは二つの不気味な目。
それはピエロでした。
彼はペニーワイズと名乗り、優しい口調でこう言います。
「ボートを返してほしければ、手を出してごらん」
無邪気に手を伸ばしたジョージー。
その瞬間、ピエロは恐ろしい形相へと変貌し、ジョージーの腕を噛みちぎります。
悲鳴が響き、ジョージーは排水溝の奥へと引きずり込まれます。
激しく降る雨。
赤く染まる道路。
そして、少年の姿は二度と戻りませんでした。
1989年6月 ― ルーザーズ・クラブ誕生
翌年の夏。
弟の失踪から立ち直れないままビルは夏休みを迎えます。
彼の親友は、ひょうきん者のリッチー、真面目なユダヤ人のスタンリー、喘息持ちで過保護な母を持つエディ。
4人は常に行動を共にしますが、学校一の不良ヘンリーとその仲間たちから執拗ないじめを受けていました。
そこへ、町に引っ越してきた転校生ベンが加わります。
友達ができず図書館で歴史書を読み漁るベンは、偶然出会った少女ベバリーに一目ぼれ。
名前を書かず、想いを綴った詩を絵葉書にして送ります。
しかしベバリーもまた、父親からの虐待に苦しむ孤独な少女でした。
それぞれの恐怖
ビルたちはジョージーが下水道にいるかもしれないと考え探検を始めます。
そこへヘンリーに追われたベンが逃げ込んできて合流。
さらに、ヘンリーの仲間パトリックがペニーワイズに襲われ失踪します。
やがてベバリーも加わり、少年少女たちは「ルーザーズ・クラブ(負け犬クラブ)」を結成。
しかし彼ら全員が、同じ存在に悩まされていました。
・ベンとエディは不気味な男に追われ
・スタンリーは絵画の女に襲われ
・ベバリーの家の洗面台からは大量の血が噴き出し
・ビルはジョージーに化けた“それ”を目撃する
そして黒人少年マイクも加入。
彼もまたペニーワイズを見ていました。
ベンが調べた町の歴史には、27年周期で繰り返される子供の失踪事件の記録がありました。
IT(それ)は周期的に目覚め、子供を喰らう存在だったのです。
井戸の家へ
ジョージーが消えた下水道は、町外れの古い井戸の家に繋がっている。
プロジェクターに映し出された不気味な姿を見て、ビルは確信します。
「“それ”が僕らを狙っている」
彼らは自転車に乗り、井戸の家へ向かいます。
しかし内部での戦いでエディは腕を骨折。
仲間内に亀裂が入り、夏は不穏なまま過ぎていきます。
狂気の連鎖
8月。ペニーワイズはヘンリーの心に入り込みます。
威圧的な父親への憎悪を煽られたヘンリーはナイフで父を刺殺。
一方、ベバリーも虐待する父に反撃し殺害。
直後、ペニーワイズに連れ去られます。
最終決戦
ベバリーを救うため、ルーザーズ・クラブは再び井戸の家へ。
ヘンリーはマイクと争い、井戸へ転落。
地下でビルはジョージーと再会します。
「おうちへ帰りたい」と泣く弟。
涙をこらえながらビルは言います。
「お前は偽物だ」
銃で撃ち抜かれたジョージーは、ペニーワイズの姿へ戻ります。
浮遊する失踪した子供たち。
意識のないベバリーにベンがキスをし、彼女は目を覚まします。
子供たちは恐怖を乗り越え、団結して“それ”に立ち向かいます。
ペニーワイズは語ります。
「恐怖を食らうことで、私は長い眠りにつく」
しかしもう彼らに恐怖はありませんでした。
恐れを失った子供たちに押され、ペニーワイズは井戸の奥へと崩れ落ちます。
別れと誓い
浮いていた子供たちの遺体が静かに地面へ降り立ちます。
ボロボロのジョージーのレインコートを見つけ、泣き崩れるビル。
仲間たちはそっと寄り添います。
9月。夏の終わり。
再び集まったルーザーズ・クラブは誓います。
もし27年後、再び“IT”が現れたら必ず戻ってくると。
ガラスで手のひらを傷つけ、血の誓いを交わします。
やがて一人ずつ帰っていき、最後に残ったのはビルとベバリー。
叔母の住むポートランドへ行くと告げるベバリー。
二人は別れのキスを交わします。
微笑みとともに去るベバリー。
画面に映る言葉「IT 第1章」。
そして最後に響く不気味な笑い声。
物語は、まだ終わっていない。。。
後編 IT THE END ネタバレあらすじ
あの夏の惨劇から27年。
アメリカ・メイン州の小さな町デリーで、再び子どもたちを狙った凄惨な事件が起こり始めます。
かつて「ルーザーズ・クラブ」に倒されたはずの恐怖のピエロ・ペニーワイズが再び目を覚ましたのです。
この異変を察知したのは、今もただ一人デリーに残り続けていたマイク・ハンロンでした。
マイクは、27年前に交わした血の誓いを果たすべく、かつての仲間たちへ連絡を取ります。
大人になったルーザーズ・クラブ
呼びかけに応じた仲間たちは、それぞれの人生を歩んでいました。
・ビルは成功した脚本家に
・リッチーは人気コメディアンに
・エディは束縛の強い妻との関係に苦しみ
・ベンは会社社長として成功
・ベバリーはファッション業界で成功するも、DV夫から逃げる日々
彼らはマイクの呼びかけに応じ、デリーへ戻る決意をします。
しかし唯一、スタンリーだけは違いました。
幸せな家庭を築いていたスタンリーは、マイクからの電話を受けた直後、風呂場で手首を切り、自ら命を絶ってしまいます。
不吉な再会
デリーの中華レストランで27年ぶりに再会した6人。
ぎこちないながらも懐かしい会話に花を咲かせますが、スタンリーが来なかったことが皆の心に引っかかっていました。
その時、テーブルに運ばれてきたフォーチュンクッキー。
割ると、中から単語が書かれた紙が現れます。
それらを並べると恐ろしいメッセージが浮かび上がりました。
「スタンリーは約束を果たせなかった」
それはペニーワイズからの宣告でした。
次の瞬間、フォーチュンクッキーの中から不気味な怪物が飛び出します。
必死に追い払う6人。
しかし、その光景は彼らにしか見えていませんでした。
店を出た直後、スタンリーの妻から電話が入り彼の死を知ります。
恐怖に耐えきれなくなったエディとリッチーは町を出ると言い出し、ベバリーもその場を去ってしまいます。
残されたビルに、マイクは告げます。
「ペニーワイズを倒す方法を見つけた」
ペニーワイズの暗躍
その頃ペニーワイズは、スタジアムの暗闇で幼い少女を巧みに誘い出し惨殺。
さらに、かつてルーザーズ・クラブをいじめていた不良、ヘンリーを精神病院から解放します。
父親殺しで収監されていたヘンリーにナイフを与え、再び彼らの前に送り出したのです。
一方、ベバリーは、かつてペニーワイズのデッドライトを浴びた影響で予知夢を見る力を得ていたことを明かします。
彼女は、スタンリーの死を含め、ルーザーズ・クラブ全員が死ぬ悪夢を見ていました。
儀式の準備
マイクは、古代の人々が行っていた儀式を参考に、ペニーワイズを倒す方法を伝えます。
それは、7人それぞれの思い出の品を集め、燃やすことで“それ”を弱体化させるというものでした。
まず、ベンのかつての秘密基地でスタンリーの思い出の品・シャワーキャップを発見。
その後、図書館を集合場所に定め、各自が思い出の品を回収に向かいます。
思い出と恐怖の再訪
ベバリーは、亡き父と暮らしたアパートで自分宛てのラブレターを回収。
しかし老婆に化けたペニーワイズに襲われ、命からがら脱出。
リッチーは、かつて遊んでいたゲームセンター跡でコインを入手。
子ども時代のヘンリーに「ゲイ野郎」と罵られ、ペニーワイズの影から逃げ出します。
ビルは、弟ジョージーが消えた排水口で幻覚に苦しみながら、折り紙の船を回収。
エディは薬局で喘息の吸入器を手に入れるも、母に化けたペニーワイズとヘンリーに襲われます。
一方、すでに図書館で待っていたマイクは突然現れたヘンリーに襲われますが、駆け付けたリッチーが彼を殺害。
こうして6人は、すべての思い出の品を揃えました。
最後の戦い
27年前に戦ったあの廃墟へ向かった6人。
地下深くの巣で、思い出の品を火にくべ、儀式を始めます。
しかし、そこへ現れたペニーワイズは嘲笑います。
実は、過去に同じ儀式を行った者たちは全員惨殺されていたのです。
マイクは皆を奮い立たせるため、真実を隠していたのでした。
巨大化したペニーワイズにより、6人は引き離され、それぞれ過去のトラウマの中へ放り込まれます。
それでも彼らは恐怖と向き合い、克服し、再び集結。
蜘蛛のような怪物へと変貌したペニーワイズとの最終決戦が始まります。
犠牲と勝利
エディはリッチーを庇って致命傷を負います。
それでも5人は恐怖に屈せず、逆にペニーワイズを罵倒し続けました。
恐怖を糧に生きる存在であるペニーワイズは、次第に弱体化。
ついには赤ん坊ほどの大きさまで縮みます。
5人はその心臓をえぐり出し、全員で握り潰し、ついにペニーワイズを完全に倒しました。
しかし、エディはすでに息絶えていました。
崩壊する廃墟から、5人は命からがら脱出します。
それぞれの未来へ
全てが終わり、生き残った5人は新たな人生を歩み始めます。
・ベバリーは離婚し、ベンと結ばれる
・リッチーは、高架下にエディと自分のイニシャルを刻む
・ビルとベンは新たな創作へ
・マイクはデリーを離れ、新たな土地へ向かう決意をする
そこへ、スタンリーが死の直前に残していた手紙が届きます。
手紙には「自分はずっと恐怖に怯えていた。きっと足手まといになる。だからこそ、みんなには前へ進んでほしい」という、仲間たちへの深い愛と祈りが綴られていました。
ルーザーズ・クラブは、恐怖を乗り越え、ついに“それ”から解放されたのです。
この作品が伝えたかったこと
「恐怖と向き合うことの本質」
本作の恐怖は単なる怪物の姿ではなく、登場人物たちの心の中にあるトラウマや不安こそが真の恐怖として描かれている。
ペニーワイズはひとりひとりの恐怖を具現化する存在であり、それを仲間と共に乗り越えることがこの物語の核だ。
「友情の力と成長」
真に恐ろしいものは孤独ではない。
仲間の存在と絆が、人間の恐怖に立ち向かう最大の武器であることを描く。
ビルをはじめとするルーザーズ・クラブが自分の弱さをさらけ出しながら絆を深める過程が、観る者に成長というテーマを強烈に印象付ける仕上がりになっている。
まとめ:恐怖の向こう側にあるもの
『IT/イット』は単なるホラー映画ではない。
恐怖体験を通して友情・勇気・成長を描いた青春ホラー叙事詩であり、観る者に深い余韻を残す映画となっている。
ペニーワイズというアイコン的存在の恐怖だけでなく、キャラクターたちの内面と歴史を丹念に描くことで、作品は単純なスプラッタホラー以上の重みを持っているのだ。