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映画『万引き家族』全編ネタバレ解説レビュー【血のつながりよりも深い家族の形とは・あらすじ・キャスト】

 

 

2018年に公開され、日本映画として21年ぶりにカンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」を受賞した映画 万引き家族。

監督は『誰も知らない』『そして父になる』など家族の形を描き続けてきた是枝裕和。

本作は、貧困の中で万引きを繰り返しながら暮らす一家を描いたヒューマンドラマです。

血のつながりがない者同士が寄り添いながら生きる姿は、観る者に「家族とは何か?」という根源的な問いを投げかけます。

この記事では、映画『万引き家族』の作品概要、キャスト、ネタバレありのストーリー、作品が伝えたかったテーマを詳しく解説します。

是枝裕和監督 最新作『万引き家族』公式サイト

※本ページはネタバレを含みます。

※本ページはプロモーションが含まれています。

作品概要

項目 内容
作品名 万引き家族
公開 2018年6月8日
上映時間 約120分
監督・脚本 是枝裕和
音楽 細野晴臣
配給 ギャガ
ジャンル ヒューマンドラマ
受賞 カンヌ国際映画祭 パルムドールなど

本作は東京の下町を舞台に、万引きなどの軽犯罪で生計を立てる疑似家族の姿を描いた作品。

2018年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞し、日本映画としては21年ぶりの快挙となりました。

また アカデミー賞 外国語映画賞にもノミネートされ、世界的に高い評価を受けました。

 

出演者(キャスト)

役名 俳優
柴田治 リリー・フランキー
柴田信代 安藤サクラ
柴田亜紀 松岡茉優
祥太 城桧吏
ゆり(リン) 佐々木みゆ
初枝 樹木希林
柴田家に関わる男 池松壮亮

ほか


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全編ストーリーネタバレ解説

東京の下町。

ある日、柴田治と少年の祥太は、いつものようにスーパーで万引きをしていた。

治が店員の視界を巧みに遮る間に、祥太はリュックの中へ商品を落とし込んでいく。

二人は何事もなかったかのように店を出ると、そのまま金を払わず店を後にする。

こうして始まるのが、映画 万引き家族 の物語である。

 

万引きを終えた帰り道、二人は商店街でコロッケを買って家路につく。

その途中、裏道にあるアパートの1階のベランダで、寒さに震える幼い少女を見つける。

以前にも見かけたことのある子だった。

治が少女に声をかけると、少女はためらいながらもついてきた。

治はそのまま彼女を自宅へ連れて帰る。

 

奇妙な同居生活

治の家には、母親の初枝、妻の信代、そして信代の妹の亜紀が暮らしていた。

信代は最初、「食べさせたら家に返してきな」と言うが、治は「外は寒いんだよ」と反対する。

少女は「ゆり」と名乗り、うどんとコロッケを夢中で食べた。

しかし、初枝が腕の火傷に気づき、服をめくると、少女の体には無数の傷があった。

明らかに虐待の跡だった。

その夜、治と信代は眠ったゆりを背負い、彼女を家へ返そうとする。

しかしアパートでは、母親が「産みたくて産んだわけじゃない」と叫びながら夫婦喧嘩をしていた。

その光景を見た二人は、ゆりを連れて再び家へ戻る。

 

翌朝、治は日雇いの工事現場へ向かい、信代はクリーニング工場へ出勤する。

家には初枝と亜紀が残り、祥太はゆりを連れて外へ出る。

祥太は学校に通っておらず「勉強のできない奴が学校に行く」と教えながら、彼女を駄菓子屋へ連れていく。

店主の目を盗み、お菓子とシャンプーを万引きする。

この家では、万引きは日常の一部だった。

 

 

 

それぞれの事情

一家は貧しい生活を送っていた。

  • 治は日雇い労働者

  • 信代はクリーニング店勤務

  • 初枝は年金暮らし

  • 亜紀は家族に秘密で風俗店「JK見学」で働いている

初枝の年金が、この家の大事な収入源だった。

一方で、治は万引きの技術を祥太に教え続ける。

焦らず、店員の動きを見て、タイミングを待つ。

「万引きの極意」だった。

 

ゆりは「りん」になる

ある日、テレビでニュースが流れる。

荒川区で5歳の少女、北条じゅりが行方不明になったという。

児童相談所が不審に思い、警察が捜査を始めたという内容だった。

テレビに映る少女は、まさにゆりだった。

まずいと感じた治は、彼女を帰そうとする。

しかし信代は引き止める。

そして少女の名前を「りん」に変え、髪を短く切った。

こうして少女は、この家族の一員として生きることになる。

 

偽物の家族の幸福

季節は夏になる。

一家は花火の音を聞きながら空を見上げたり、海へ遊びに行ったりする。

海では皆で手をつなぎ、波打ち際でジャンプする。

その様子を見ていた初枝は、静かに呟く。

「ありがとうございました」

それは、幸せな時間への感謝の言葉のようだった。

 

突然の死

しかし、平穏は長く続かない。

ある朝、初枝が自宅で亡くなっているのが見つかる。

葬式代も払えない一家は、死を隠すことを決める。

治は床下を掘り、初枝の遺体を埋める。

「ばあちゃんは最初からいなかった。俺たちは5人家族だ」

そう言って、口裏を合わせる。

 

祥太の疑問

祥太は次第に疑問を抱き始める。

万引きは本当に正しいのか。

そして、自分は本当にこの家族の一員なのか。

ある日、駄菓子屋の店主から「妹には万引きさせるな」と言われる。

その言葉は祥太の胸に深く残った。

 

事件

スーパーで万引きをしようとしたとき、りんが店に入ってくる。

それを見た祥太は、彼女を守ろうとする。

自分がわざと万引きして店員の注意を引きつけ逃げる。

追い詰められた祥太は、高架道路から飛び降りる。

 

事件をきっかけに警察の捜査が始まる。

すると、柴田家の秘密が次々と明らかになる。

  • 家族は血縁関係ではない

  • 治と信代は本名すら違う

  • ゆり(じゅり)は誘拐扱い

  • 初枝の死体が床下から発見

一家は世間を騒がせる事件の中心となる。

 

取り調べの中で、信代は言う。

「捨てたんじゃない。誰かが捨てたものを拾ったんです」

子供たちは、社会に捨てられた存在だった。

 

それぞれの結末

その後、家族はバラバラになる。

祥太は児童施設へ。

りんは実の親の元へ戻される。

治と信代は罪を背負う。

信代は祥太に、本当の家族を探せる手がかりを伝える。

「うちらじゃだめなんだよ。この子には」

 

最後の瞬間

祥太が施設へ向かうバスに乗る。

治は必死にバスを追いかける。

しばらくして、祥太は振り返り、つぶやく。

「父ちゃん」

それは、初めての言葉だった。

 

一方、じゅり(りん)はアパートの通路でビー玉を光にかざして遊んでいる。

そして、壁の上から外を見て微笑む。

物語は、静かに幕を閉じる。

 

この作品が伝えたかったこと

① 家族とは血のつながりなのか

法律や社会の定義では、彼らは家族ではありません。

しかし作中で最も愛情があったのは、この偽物の家族でした。

血縁よりも「一緒に生きる意思」が家族を作るのではないか、という問いが投げかけられています。

 

② 貧困と社会の歪み

映画に登場する人物は、決して悪人ではありません。

  • 貧困

  • 孤独

  • 家庭崩壊

社会の隙間に落ちた人たちが、必死に生きる姿が描かれています。

 

③ 愛は正しい形でなくても存在する

この家族の愛は、社会的には間違っています。

万引き、誘拐、年金不正受給・・・

しかし、そこには確かな温かさがありました。

この矛盾こそが、この映画の最大のテーマです。

 

まとめ

「家族とは何か」という根源的な問いを投げかける作品です。

血のつながりがなくても、人は家族になれるのか。

法律が定めた関係だけが本当の家族なのか。

観終わったあと、答えのない問いが心に残る映画です。

是枝裕和監督の作品の中でも、間違いなく最高傑作の一つと言えるでしょう。

 

 

 

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