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映画『死刑にいたる病』ネタバレ解説レビュー【狂気は本当に一人のものか・あらすじ・キャスト】

連続殺人鬼から届いた一通の手紙。

そこに書かれていたのは「最後の事件だけは冤罪だ」という衝撃の主張だった。

映画『死刑にいたる病』は、凶悪殺人犯と一人の大学生の奇妙な関係を描くサイコサスペンス。

単なる犯人探しのミステリーではなく、人間の心理操作、洗脳、そして悪がどう生まれるのかに踏み込んだ問題作です。

この記事では、作品概要から出演者、ネタバレ全ストーリー、そして作品が伝えたかったテーマまで徹底解説します。

死刑にいたる病 | CINE QUINTO|渋谷ロフト横/シネクイント

※本ページはネタバレを含みます。

※本ページはプロモーションが含まれています。

 

作品概要

映画: 死刑にいたる病

公開日: 2022年5月6日

上映時間: 約128分

監督: 白石和彌

脚本: 高田亮

原作: 櫛木理宇 小説「死刑にいたる病」

ジャンル: サスペンス/ミステリー

配給: クロックワークス

 

主な出演者 キャスト

阿部サダヲ(榛村大和)

岡田健史(筧井雅也)

岩田剛典

中山美穂

宮崎優

鈴木卓爾

佐藤玲

ほか


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全編ストーリーネタバレ解説

大学生の筧井雅也は、祖母の葬儀に参列していた。

親戚たちは彼が父の期待に応えられず三流大学に進学したことを噂していた。

祖母は元校長で学校関係者によるお別れ会が予定されていたが、雅也は父が自分を恥じているだろうと考え参加を断る。

 

そんな折、雅也のもとに差出人不明の手紙が届く。

そこには「榛村大和」と名乗る男から、会いに来てほしいという依頼が書かれていた。

榛村はかつて商店街のパン屋「ロシェル」を営んでいた人物であり、雅也は少年時代に通っていた記憶があった。

しかし店はすでに売りに出されていた。

 

榛村は過去、規則正しい生活を送りながらパン屋を営む一方、狙いを定めた少年少女を誘拐しては自宅の燻製小屋に監禁し、拷問して殺害する連続殺人犯だった。

死体は焼却し庭に埋め、木を植えて印を立てるという異常な儀式まで行っていた。

逃げ出した少女の証言により犯行は発覚し、22人の少年少女と1人の成人女性の殺害で起訴され、9件が立証され死刑判決を受けている。

裁判で榛村は動機を問われても「必要だからやった」と冷静に答え、もしやり直せるなら「捕まらなかった」と言い放つ異常性を見せていた。

 

 

 

死刑囚からの依頼

雅也は拘置所で榛村と面会する。

榛村は親しげに昔話をしながら、自分の罪は認めつつも「最後の事件だけはやっていない」と主張する。

被害者は26歳女性・根津かおる。

自分は信頼関係を築いてから長期間かけて殺すタイプであり、会った日に殺して山に遺棄するなどあり得ないと言う。

「真犯人はまだ街にいるかもしれない。知っているのは君と僕だけだ」

榛村の言葉に揺さぶられた雅也は、事件を独自に調べ始める。

 

調査と違和感

弁護士の資料を密かに撮影し、雅也は被害者の特徴を確認する。

榛村の被害者は皆、黒髪で真面目な高校生という共通点があり、爪を剥がして収集する特徴もあった。

しかし根津は26歳で、遺体には爪が残されていた。

犯行間隔も通常より短く、確かに手口が異なる。

雅也は山の遺棄現場や会社関係者を訪ね、根津が生前「誰かに付けられている」と話していたこと、職場の人間関係、潔癖症だったことなどを知る。

同時に大学生活では、サークル仲間との関係もぎくしゃくし、孤立を深めていく。

 

母と榛村の関係

祖母の遺品整理中、雅也は若い母・衿子と榛村が一緒に写った写真を見つける。

さらに調査で、榛村の養母・桐江は虐待児を保護する活動家で、衿子もその養子だったことが判明する。

衿子は若い頃妊娠して家を追い出されていた。

拘置所で雅也は榛村に「あなたは僕の父親ですか」と問い、榛村は肯定するような態度を見せる。

少年時代、父に虐待されていた雅也にとって、パン屋で過ごす時間だけが救いだった。

 

真犯人候補・金山一輝

根津事件の証人は金山一輝という男。

幼少期、榛村に「痛い遊び」と称して兄弟同士で傷つけ合う行為を強要されていた過去があった。

さらに彼自身も後に凶悪事件を起こしていた。

雅也が周囲を調べると、一輝は顔の痣を隠すため長髪にしており、拘置所の待合室で会った男だったことが判明。

山にも頻繁に訪れていた。

ついに現場で対面した一輝は、泣きながら「僕が殺した」と告白する。

 

しかし真相はさらに深い

雅也は榛村に犯人を突き止めたと報告する。

すると榛村は過去を語り始める。

榛村は少年時代の金山兄弟を操り、互いを傷つけさせていた。

成人後、一輝に再会し「誰と遊べばいい?」と問い詰めたとき、たまたま通りかかった根津を一輝が指差した。

一輝はそのせいで狙われたと思い込み、罪悪感を背負っていた。

だが榛村は逆に語る。

実際には一輝こそが根津に執着し、拉致して殺したのではないか、と。

真実は曖昧なまま、榛村は雅也に強い精神的影響を与え続ける。

 

榛村の本質

榛村は言う。

「僕は、こういう風にしか人と付き合えない」

彼にとって殺人とは支配と関係性の手段だった。

そして雅也自身も、怒りに任せて他人を殴り殺しかけるなど、徐々に精神が侵食されていく。

榛村の血なのか、それとも環境なのか。

自分の中の暴力性に気付き、雅也は恐怖する。

物語は、榛村の影が雅也の人生に深く刻み込まれたまま終わっていく。

 

この作品が伝えたかった事

①洗脳という恐怖

この映画の恐怖はグロ描写ではありません。

本当に怖いのは「誰でも洗脳されうる」という事実。

榛村は超能力も武器も持たない。

ただ心理理解だけで人を支配する。

 

②悪は特別な人間だけのものではない

榛村は怪物のように描かれていません。

むしろ、優しい・知的・理解者として描かれています。

「悪は異常者のものではない」と示しています。

 

③人間は孤独だと壊れる

雅也は最初から壊れていたわけではありません。

  • 挫折

  • 家族関係

  • 孤独

  • 劣等感

その積み重ねが、榛村に入り込まれる隙を作りました。

「誰でも同じ状況なら危ない」という現実的な恐怖を描いています。

 

総評

心理操作、洗脳、人間の弱さをテーマにした当作品。

観終わったあとに残るのは、犯人への恐怖ではなく「自分も操られる側かもしれない」という不安。

これこそが本作最大の恐怖です。

心理サスペンス好きなら必見の一本でしょう。

 

 

 

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