地方の人材派遣会社で営業マンをしていた私が実際に出会った派遣社員とのエピソードを紹介していきます。
実際に出会った派遣社員⑨
お金を盗む手癖最悪派遣
ある日、派遣先企業の担当者からの電話で目が覚めました。
そこは交替勤務をしながら24時間稼働している会社だったので、朝早く電話が鳴るのもおかしくはないのですが・・・嫌な予感。
「まだ100%決まった訳ではないから大きい声では言えないんだけど・・・
御社の派遣さんがロッカーでいろんな人のお金を盗んでいるっぽくて・・・」
嫌な予感的中。
しかし、電話を取る前に予想していたよりも100倍嫌な内容でした。
詳しく話を聞くと・・・
A班、B班、C班の3班があり、班ごとに更衣室・ロッカールームがわかれている。
この中でなぜかC班だけ、スタッフの財布から現金が抜かれる事案が多発していた。
各スタッフへのヒアリングや状況を整理すると怪しい人は3人。
その内の1人がうちの派遣社員Pさん。
電話がくる前日、A班が人手不足だったため「これはチャンス!」と思いPさんをA班にヘルプに行かせたところ・・・今まで何も起こらなかったA班のスタッフさんの複数名の財布からお金が抜かれていた。
累計被害総額14万円。。。
Pさん・・・
あんた犯人やろ・・・
派遣先担当者の希望としては、警察沙汰で大ごとにしたいわけではないし、1年以上頑張ってくれているPさんに情もあるし、シングルマザーで頑張っているのも知ってるから、派遣元であるうちから何気なく本人に「これ以上はやばいよーばれてるよー」というのを気づかせて、本人から退社するように促してほしい、との事。
悪いのはPさんですが、Pさんへの伝え方・話し方を一歩間違えると「具体的な証拠もないのに決めつけるんですか!?」と混乱を招きかねません。
ここは慎重に・デリケートに進める必要がありそうです。
しかし!!
とりあえずPさんの声を聞こうと電話をすると、何かを悟ったように弱弱しく話すPさん。
思い返せば、Pさんが入社してからの1年間、本当に真面目に働いてくれていたのでほとんど連絡を取ることがありませんでした。
Pさんは、私から珍しく電話がかかってきた時点で全て気づいていたのかもしれません。
そのまま自分から退社したいという話になり・・・あっけなく退社となりました。
派遣先担当者からは「うまいこと進めてくれてありがとう、ああいう人を刺激するとどう反抗してくるか分からないからね」と言われましたが、私は何もしていなし、何もできませんでした。
人材派遣会社の商品は「派遣社員」、つまり、「人」です。
クオリティーは均一ではなく、誰が見ても大丈夫だろう!と思っていても、後々とんでもないトラブルを引き起こすことがあります。
このような出来事をうまく受け流せるタイプじゃないと、派遣営業マンは務まりません。。。
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